セパレートスピーカーを買うと、
もれなく付いてくる、
パッシブネットワーク。
スピーカー取り付けを業者任せにした場合、
知らない間に、パッシブネットワークを
取り付けられているかもしれませんね。
この記事では、
パッシブネットワークを取り付けることの、
メリット・デメリットを紹介します!
目次
パッシブネットワークとは?
パッシブネットワークとは、
セパレートスピーカーを買うと、
もれなく付いてくる、
小型のネットワークのことです。
中にはコイルとコンデンサが入っていて、
カーステレオからの音声の出力を、
高音と中音・低音に分ける働きがあります。
なんでパッシブネットワークが付いてくるの?
セパレートスピーカーは、
高音域のみを出力するツイーターと、
中音域・低音域を出力する
ウーファー(ドアスピーカー)とに分かれます。
ウーファーから高音域を出力しても
何ともありませんが、
ツイーターから低音域を出力すると、
ツイーターが壊れることがあります。
それを防ぐために、
パッシブネットワークのコンデンサを通り、
高音域のみを出力してもらうわけです。
パッシブネットワークを使わないとどうなるの?
パッシブネットワークを使わず、
ツイーターを直接、カーステレオ、
または外部アンプにつないだ場合。
カーステレオに
音域出力の調整機能がないと、
高音から低音まで全て出力されます。
そうすると、
ツイーターから低音が出力され、
ツイーターが壊れる可能性があります。
アクティブネットワークとは?
アンプとスピーカーの間に
つなぐネットワークを、
パッシブネットワークと言います。
アンプからの音の出力が
直接スピーカーに届く前に、
パッシブネットワークを通ります。
パッシブネットワークでは、
高音域の出力周波数、
中・低音域の出力周波数は決まっていて、
自分で調整することはできません。
カーステレオの中には、
オーディオ調整機能の中に、
スピーカーの出力音域を振り分けたり、
調整できたりするものがあります。
このネットワークを、
アクティブネットワークと言います。
クロスオーバーネットワークとは?
パッシブネットワークは、
クロスオーバーネットワークとも言います。
高音域と中音域をクロスオーバーさせ、
違和感や分離感のない、
自然な音を出せるように調整した
ネットワークということです。
アクティブネットワークは、
カーステレオ(デジタル)で調整するため、
デジタルクロスオーバーネットワーク
と呼んだりします。
パッシブネットワークを使わないとどうなる?
スピーカーケーブルを、
直接、カーステレオ(アンプ)に
つなげることになります。
よくある接続例としては、
ツイーターを、カーステレオ(アンプ)の、
high(またはリア)に、
ウーファーは、mid(またはフロント)に、
接続することになります。
フロント・リアでつなげるタイプの
カーステレオ(カーナビ)では、
リアスピーカーをつなげる
チャンネルの空きがなくなります。
そうすると、
リアスピーカーをつなげることが
できなくなります。
ただし、high・mid・lowで
つなげるタイプのカーステレオなら、
lowにリアスピーカーを
つなげることは可能です。
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パッシブネットワークを使うメリットは?
3つのメリットがあります。
まず1つ目は、
スピーカーケーブルが1つになることです。
つまり、パッシブネットワークを使うことで、
チャンネルに空きができます。
例えば、フロントスピーカーは、
mid(またはフロント)につなぎ、
リアスピーカーは、
high(またはリア)につなぐ、
という接続が可能です。
フロント、リアともに、
セパレートスピーカーを使うなら、
パッシブネットワークは必須
だということが分かります。
疑似サラウンド環境を作るなら、
パッシブネットワークは必要ですよ!
2つ目のメリットとして、
ツイーター、ウーファーの出力音域を
分けてくれていることです。
だから、
カーステレオで調整する必要がないし、
調整機能がないカーステレオでも、
安心して接続できますね!
それから、3つ目のメリットとして、
音のつながりが良いということです。
メーカーが研究を重ねて作っており、
ツイーターとウーファーの出力に、
違和感(音の重なり)や
分離感がありません。
1つの大きなスピーカーから音が出ている
ように聞こえます。
パッシブネットワークを使うデメリットは?
パッシブネットワークを使うと、
どの音域でカットされているかが
決まっています。
つまり、ツイーター、ウーファーの、
デジタルクロスオーバー調整ができない
ということです。
例えば、TS-V172Aの場合だと、
ウーファー側は、
1.8kHzのところで、-12dB/oct.の
ローパスフィルターをかけています。
これは、1.8kHz以上の
音がだんだん小さくなり、
4kHz辺りの音域は、
ほぼ出力されていないことを意味します。
同じように、ツイーター側も、
ウーファーと音が重なりすぎないように、
ある周波数以下の音が
カットされています。
パッシブネットワークを使うと、
カットする周波数を、
自分で変えることができないのです。
自分でカットする周波数を決めたいなら、
パッシブネットワークを使わず、
カーステレオで調整するしかありません。
それからもう1つ。
スピーカーケーブルが1つになるので、
1つのアンプから、
2つのスピーカーの
出力をすることになります。
スピーカーの出力が分けられるので、
ツイーター・ウーファーを
鳴らしきれないことになります。
ツイーターの繊細な音、
ウーファーの迫力ある音を鳴らしきるには、
やはり、
アンプは別々に分ける方がいいでしょう。
結局、どっちがいいの?
それは、使う人の用途による、
としか答えられません。
私の場合は、
疑似サラウンド環境を作りたかったので、
パッシブネットワークを使っています。
フロントスピーカーをmidにつなぎ、
リアスピーカーをhighにつなぎ、
サブウーファー(2台)を、
low・subwooferにつないでいます。
パッシブネットワークなしの接続も
したことはありますが、
音響的にはどちらも変わらなかったですね。
私の調整が甘かっただけかもしれませんが。
フロントスピーカーと、
サブウーファーだけの構成で十分なら、
パッシブネットワークは
使わなくても大丈夫です。
もちろん、カーステレオで、
音域の調整(出力カット)ができるのが
前提ですが。
パッシブネットワークの置き場所は?取り付け位置は?
パッシブネットワークを使う場合、
置き場所に困ると思います。
小さいネットワークであれば、
ウーファーを取り付けるついでに、
ドアの内張りか外張りに、
両面テープで固定すれば問題ありません。
しかし、TS-V172Aクラスの
パッシブネットワークだと、
内張りにも外張りにも収まり切れません。
その場合は、ネットワークを、
車内のどこかに置くしかありません。
候補としては、
・ドアポケット
・シート下
・シート裏のポケット
のどれかになると思います。
シート下が、ケーブルも収納しやすく、
かつ目立たないのでおすすめです。
私の場合は、
運転席・助手席裏のポケットに
ネットワークを入れています。
ケーブルがむき出しなので、
見た目はあまりよくありませんが。
スピーカー構成はどうするのがおすすめ?
パッシブネットワークを
使うか使わないかで、
スピーカー構成や接続が変わります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
スピーカーの調整方法は?
パッシブネットワークではなく、
デジタルクロスオーバーネットワークで
調整する場合。
カーオーディオのDSPを使って、
スピーカーを調整する方法について、
書いた記事があります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
パッシブネットワークを使うか使わないか、
どちらにしても、
デジタルクロスオーバーを
使えるのが一番です。
出力音域を調整できると、
自分の聴きやすいように音を出せるので、
非常に聴き心地の良い
車内環境を作ることができますよ!